『冒険する組織のつくりかた』のつくりかた、みたいな話②
ライティングのお手伝いをさせていただいた 安斎 勇樹さんの『冒険する組織のつくりかた「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』発売となりました!
私は本づくりのごく一部をお手伝いしただけですが、私にとっても、とても大事な本でもあるので、発売にあたって、少しだけ『冒険する組織のつくりかた』のつくりかた、みたいなお話を振り返ってお伝えできたらと思います。
●必然のような偶然、偶然のような必然
生きていると時々、まるでずっと前からそうなることが決まっていたような、必然のような偶然に出くわすことがあります。 藤田 悠さんがこの本の編集をする、というのは偶然のようでいて必然だったのだろうな、という気がします。そして、私はそれを繋ぐ役割だったのだろうな、と。そんな風に思えるほど、藤田さんとは不思議な巡り合わせでした。
本の打合せを始めた頃から、編集は以前からお付き合いのあった藤田さんにお願いしよう、と心に決めていました。なんというか安斎さんが全身全霊を尽くして書き下ろそうとしているこの本のパワーを受け止められるのは、藤田さんしかいない、そんな気がしていたのです。
そこで、久しぶりに藤田さんに連絡を取ってみたところ、意外な事実が判明します。なんと「実はダイヤモンド社を退職して、自分で出版社を立ち上げようと思っている」というのです。ダイヤモンド社を代表する超敏腕ベストセラー編集者の一人である藤田さんが!?えーなぜなぜ?と、話を伺うと、本の帯にある「大きな不満はない…はずなのに、なぜか会社がつまらない」のような状態にある、ということを打ち明けてくれました。
次々とベストセラーを手がけ、順風満帆のように見える藤田さんが抱える組織への違和感。それはまさしく『冒険する組織のつくりかた』のメインテーマでした。(藤田さんはこのことをnoteにお書きになっています。https://note.com/notes/n7384756dc89e )
必然のような偶然によって、藤田さんはこの本を通して自らの「問い」を探究することができたのです。もちろん、明確な「答え」が得られたかどうかは分かりません。けれど、たった一人で立ち上げた出版社テオリアの初めての本が、自らの「問い」に真正面から向き合った本だった、というのはとても幸運な巡り合わせ、偶然のような必然、だったのではないか、と思うのです。
本というのは、自らの「問い」の「答え」を探すために読むものでもあり、自らの「問い」の「答え」を探すために書くものでもあります。『冒険する組織のつくりかた』も、書かれる前には「問い」しかなく、書いて語って探究されることで立ち現われる「答え」を懸命に捕まえ、本に編むことで形づくられたものです。
「世界の見え方が変わってしまう一冊を」つくろうと、独立なさったばかりだった藤田さんに、このお仕事をしっかりと繋ぐことができた。これは、私の唯一誇れる成果だと思っています。ナイスプレー!と自分で自分を褒めたいです(笑)
そして、この本は私自身の「問い」の「答え」を探す本でもありました。
>『冒険する組織のつくりかた』のつくりかたみたいな話③につづく
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