「残業学」その働き方、いつまで続けられると思う?

<新刊のご案内「残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? 」中原淳・パーソル総合研究所 著 光文社新書>

新年あけましておめでとうございます。新刊!ではなく、12月に刊行されていたのですが、ついこちらのブログへのアップをさぼっておりまして、年が明けてしまいました。

ヤギワタルさんによるインパクトある表紙イラストが新書コーナーで異彩を放っている本書ですが、大規模調査の分析結果をもとに「日本の残業」の真実の姿を解明していく内容の、かなり中身の濃い新書となっています。データをもとに冷静に残業の実態を明らかにしていこうという本ではありますが、「日本中に、客観的なデータにもとづいた『残業』『働き方改革』についてのガチな対話を巻き起こしたい」という熱~い願いが込められた本でもあります。


「残業学」の本は、元々、立教大学経営学部 中原淳 教授とパーソル研究所による共同研究「希望の残業学」プロジェクトがベースにあったので、構成担当の私は3月頃からプロジェクトに合流させていただく形でお仕事がスタートしました。取材は、中原先生、パーソル総合研究所の小林さん、青山さん、光文社新書編集部の樋口さん、髙橋さんとで集まり、私にレクチャーしてくださるスタイルで行われたのですが、私がまあとにかく、統計、分析、数字、データ、グラフ等々に弱すぎるため、もう中断に次ぐ中断で遅々として進まず…。何度説明を受けても理解できず「分かりません…」と本気で泣きそうになったことも(涙)。その節は誠にご迷惑をおかけしました。


とはいえ、パーソル研究所小林さんの素晴らしすぎるエクセルファイルとみなさんの辛抱強さに助けていただき、ダメダメな私も7,8月あたりは一生懸命やりまして、なんとか本のベースをつくるところまでできました。最初から最後までご迷惑ばかりでしたが、一つだけ「貢献した!」と胸を張れることがあります。それが

「講義形式を思いついた!」ことです

原稿が少しできつつあったものの、「予定よりは遅れててヤバイなー」と思いながら打ち合わせに向かった7月30日、電車の中ではっと閃いてしまったのです!その閃きを書き留めたのがこのメモ!殴り書きですみません(笑)

元々は、残業に対して多様な考え方があることを示すために、冒頭にいろんな立場の人の残業にまつわるショートストーリーを入れてはどうか?というアイディアが出ていました。そこでありそうなショートストーリーを考えていたのですが、「新入社員はこう」「ワーママはこう」と「典型的なパターン」を決めつけて書くのもどうかな…と、モヤモヤしていたところ、「『残業学』という耳慣れない学問の講義を聴きにきた多様な立場の人たち」というアイディアが振ってきたのです!

早速みなさんにお話したら、「ぜひやろう!」と言ってくださり、講義形式というユニークなつくりの本になりました。残業という身近なテーマを扱っているものの、調査研究を元にしたかっちりした内容なので、講義形式によって少しでも読みやすくなっていたらいいなーと思っています。

自分が関わった本が出版されると、そりゃもう「嬉しい」のですが、その「嬉しい」の中身のほとんどは「あーなんとか無事にタスキを渡せて良かったー」というような気持ちです。というのも私の場合、本づくりをチームでやっていることが多いからかな、と思います。

「残業学」の本づくりチームは、言葉に出すことはないものの、「心身を壊すことにつながるような働き方がなくなってほしい。この本を通じて働く人の未来がもっとよくなってほしい」といった志を共有しているチームだったように思います。キレキレに快走するランナーが揃う中、一人足手まといのランナーだったように思いますが、完走して多くの人に届けることができ、ほんとうに良かったです。



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